ち。地球の運動について


 すごいアニメだ。土曜の深夜NHKで放映されているアニメ「ち。地球の運動について」である。もともと、この時間帯のアニメは、キングダムの放映から録画するようになった。キングダムの後は、「カラスは主を選ばない」が放送されていた。前編は、宮廷のどろどろ劇かと思ったが、後半は中々私たちの住む世界とカラスの世界の関係もなんとなくわかって面白かった。その後に放映されたのが、「ち。地球の運動について」である。

 詳しくは、webなどを検索してもらえれば、いろいろと出てくるので、そちらを見てほしいのだが、舞台は15世紀のおそらくヨーロッパ大陸のある国。教会が世の中を支配する中世だ。テーマは、天動説vs地動説。アニメの1話から3話まで登場するのが、神童ラファウ。彼は、秀才であり、飛び級で大学に進学するほど優秀だ。大学では、当時メインだった神学を学ぶと宣言する。ところが、ひそかに天文を研究していたのだ。そこに、異端者として改心を迫られたフベルトと出会うことになる。フベルトは、嘘をついてでも、自分の研究、つまり地動説の研究を進めたいのだ。彼との出会いが、ラファウを地動説へと向かわせる。というような展開なのだが、ビックリするのは、第三話までにこの二人とも、死んでしまうのだ。普通は、ラファウが、フベルトに師事し、教会から隠れて地動説を極めていくのかと思いきや、二人とも教会から異端者として殺されてしまうのだ。この死に方が凄まじいのだが、これを書いてしまえば原作やアニメの良さが落ちてしまうと思うので、知りたい人は、アニメか原作を読むべきだろうと思う。

 なぜ、このアニメに惹かれるかといえば、真理を探究する者の凄まじさが表現されているからだ。天動説から地動説に惹かれていくラファウ。そこには、合理的精神をもって、真理を探究し、宇宙が法則に基づいて運動しているという合理性に美しさを感じるということが表現されている。命をかけて、真理を追究する姿勢というのは、これほどまでに凄まじいのかと改めて考えさせられるアニメだ。おそらく、地動説を唱えて、異端者扱いされていった数々の実際の科学者たちも同じであったのだろうと思う。

 探究がブームの今の世の中。若い世代に、是非見てほしい作品だ。


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