10月27日の夜8時から各マスコミで一斉に、「与党過半数割れ」を報じた。なかなか面白くなってきた。今後は、多数派をどのように作るか、魑魅魍魎の動きが政界で起こるだろう。これを見物するのも興味深い。今日は、各社の新聞を買った。どの紙も与党の過半数割れの原因を「政治とカネ」の問題に結びつけて論評している。確かにわかりやすい「切り取り方」だ。しかし、果たしてそうだろうか?世論調査でも国民の優先順位で高いのは、物価高問題、社会保障問題である。「政治とカネ」は、3番目・4番目の問題だ。ここ2・3年、春闘でベースアップがなされているが、それは大企業が中心で、中小企業までには十分に波及していない。この状態での物価高は、国民の生活を直撃しているのだ。こんな状況で、「政治とカネ」問題である。政治家だけ、私腹を肥やすとは何事かという怒りだろう。
立憲民主党の野田氏は、外交やエネルギー政策で劇的な政策転換を求めず、安定した政権をめざすことを打ち出し成果を挙げた。野党第一党として大きく躍進したことの責任は大きい。野党連携のリーダーシップが求められる。驚いたのは、国民民主党の躍進だ。「国民の手取りを増やす」というわかりやすいメッセージが国民に響いたのだろう。今求められるのは、財政規律ではなく、積極財政であるということを端的に示している。このことを考えると、石破氏も野田氏も共に緊縮財政派であることに注意しなければならない。今後は、令和7年度予算編成で、緊縮財政か積極財政かが議論になる。減税の在り方もめぐって、攻防が展開されるだろう。野田氏が積極財政にシフトできるかどうかが大きい。
一方、野党の中でも維新は、伸び悩んだ。今回の選挙で維新は「微減」であったが、当初の目標は「党の全国化」「野党第一党」であったことを考えると、「惨敗」と言っていいだろう。マスコミでは、万博のコストの上振れや兵庫県知事問題が影響したと指摘されているが、果たしてそうだろうか。私は、「政策活動費の開示10年後問題」が大きいと思う。大阪で維新を支持してきた私の目にも「何が10年後か?!即時開示だろう!」と思った。このことが改革政党という看板にミソをつけてしまった。妙に政治家ぶった政治屋として映ったのだ。そのことが、大阪府では実感できる「身を斬る改革」も、他地域では「結局、自民にすり寄る維新」という印象を与えてしまった。これが敗因だ。馬場執行部には、猛省が求められるだろう。
さて、投票率だ。結局53.84%になるだろうと言われている。かなり低い。この数字から見ると、政治に関心のある保守層が、自民から立民に移ったと言えるだろう。つまるところ、無党派層は動かなかったのだ。本当にこれで良いのかと思ってしまう。投票場に行った時も、高齢者が目立ち、40歳代の方が、一番若かったように思う。20代どころか、30代の姿も見なかった。政治に参加する方法はいろいろあるが、投票するということが一番政治に参加しやすいはずだ。政治に参加しない国民が、半分近くいる先進国。本当に先進国かと思ってしまう。与党過半数割れも激震だが、低投票率も今後の日本を考えると恐ろしい。足元から崩壊が進んでいくような感じだ。もう、義務化するしかないのではないだろうか。それとも、宝くじのように、「投票者から、100万円、100人当選」とするしかないか。これほど、バカな国民に成り下がってしまったのだ、日本国民は。
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