その理由は本当か?

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 横浜市教委が、横浜地裁で行われた教員による子どもへのわいせつ事案の公判に、1回当たり50人前後の職員を動員して、一般人が傍聴する機会を損なわせた。市教委によると、このような行為を行った理由として、
「なるべく事案を知られたくないという被害者側の意向をくんで行った」
という。いや待て、この理由、どうも言い訳がましく聞こえる。本当かと思ってしまう。未成年者が関わる事案では、裁判におけるプライバシーの保護は最優先事項だ。裁判所では、適切な措置が取られる。問題は、「被害者の意向をくんで行った」というこの「くんで」という意味だ。つまり、この「くんで」の意味には、
①保護者から職員の動員を行ってほしいと要望があった
②プライバシーの保護のために、保護者と協議した結果、動員するという結論に至った
③保護者と具体的なやり方については協議しなかったが、強い要望があったので、市教委として独自の判断で行った
④保護者からの要望があったが、市教委が保護者に忖度して行った
⑤保護者からの要望もあったが、市教委としても自らの市の不祥事として広く知られることを避けるために、保護者と利害が一致して行った
⑥保護者の意向をくんでと言ったが、実はそんな意向はほとんどなく、市の判断で行った
といろいろなバージョンが考えられる。①~③ならば、きちんと保護者の意向で行ったと言えばよい。その説明をせず、「くんで」という表現をしたことで、④~⑤が本当の理由ではないかと思ってしまう。マスコミも具体的に保護者からどういう意向があったのか、どの程度あったのか、突っ込むべきだろう。そうすることで、真実が明らかになる。
まさか、⑥ではないだろうと思うが、果たしてどうだろう。


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