そこまで言うなら・・・


 8月6日に行われた広島平和式典の石破首相のあいさつの評価が高い。官僚が書いた文章ではなく、自分の言葉で綴っていると評価されている。自身が原爆資料館を訪問したい際の想いなども、自分の想いを言葉にしたものだろう。そういう意味で、安倍・菅・岸田と続いた3人の首相あいさつよりも多くの人々の心に届いたのだろう。

 最後に引用した歌人・正田篠枝さんの歌「太き骨は先生ならむ そのそばに 小さきあたまの骨 あつまれり」も石破茂という人間を良く表しているように思う。そういう意味で今回の挨拶は、良かったと評価されていると思う。

 しかしながら、彼は政治家であり、唯一の被爆国である日本の総理大臣である。原爆被害への想いをそこまで述べるならば、なぜ、「核兵器禁止条約」を批准しないのか、批准しないまでもオブザーバー参加しないのか。同じ敗戦国ドイツは、オブザーバー参加しているではないか。なぜ、日本は参加しないのか。

 現実の社会を変える権力を有しているのが、政治家である。石破茂には、核兵器禁止条約を批准する、またはオブザーバー参加に向けた動きを起こす力があるのだ。歴代総理よりもいくらかマシな挨拶をしたからと言って、政治家「石破茂」を評価するのは、彼の平和に向けた、核兵器廃絶に向けた彼の行動であり、その結果である。彼は、詩人でもないし、歌人でもない。政治家なのだ。

 石破茂よ、そこまで言うなら核兵器禁止条約にオブザーバー参加しろ、そして条約を批准しろ!


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