世界中の思いだろう。イスラエル、ガザ双方の市民が犠牲になっている映像が日々流れている。国連事務総長の言葉にもあるように「戦争にもルールがある」のだ。市民の犠牲が最小限になるように、早急に人道回廊を設置してほしい。この間の互いの爆撃で、子どもの犠牲が相当数に上っている。本当に何とかならないのかと思う。
今回のハマスの奇襲、イスラエルの反撃に関して、欧米が「ハマスのテロ」に対して非難声明を出した。日本の岸田首相はSNSで「双方の自制」を呼びかけた。すぐに松野官房長官が「今回のテロ行為」とハマスの奇襲を非難したが、欧米の対応と日本の対応には、歴然とした差がある。どちらを支持するか。私は、岸田首相のコメントを支持したい。確かに、ハマスの行為はテロ行為であり、許されるべきものではない。だからと言って、双方の市民が犠牲となる攻撃を継続したり、エスカレートさせたり、地上戦を展開したりすることが良いことかと言えば、誰しもが良いとは思っていない。いままでイスラエルがガザ地区にしてきた「天井の無い監獄」は、生きる希望を失わせるものだ。犠牲を最小限に抑えるために「双方に自制」を求めるというのは、正しいメッセージだと思う。
また、石油という経済問題にはかなり関係する日本でも、政治的にはパレスチナ問題に距離がある。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という宗教問題からも日本は距離がある。このように考えると、岸田首相の「双方に自制」というメッセージは、西側諸国であるにも関わらず日本だからこそ発することができるメッセージではないかと思う。
ところで、10月16日の「映像の世紀 バタフライエフェクト」で「砂漠の英雄と百年の悲劇」が放映された。改めて、イギリスの「二枚舌」という犯罪が、100年以上続く紛争の発端になっていることを痛感する。この問題で、イギリスは過去に謝罪したのだろうか。ネットで調べると2017年に当時のメイ首相は、パレスチナへの謝罪を拒否している。双方に犠牲が出ているのだから、そしてその原因をイギリスが作ったのだから、イスラエルとパレスチナの双方に謝罪し、「平和と共存に努力する」となぜ言えないのかと素直に思ってしまう。このイギリスのパレスチナへの姿勢とウクライナ問題に前のめりになる姿勢の差は、何なんだろう。キリスト教とイスラム教の宗教の問題か。
今回の紛争に対して、欧米諸国は身を切る人道支援を行うべきだろう。イスラエルに肩入れする声明や外相交渉するだけでは当然だめだ。こんな対応しかしていないから、グローバルサウスの支持を得られないのだ。焼け石に水かも知れないが、欧米から船を派遣して、けが人、女性・老人・子どもから避難させるべきだろう。それぐらいやって、はじめて人道支援を口にすることができるのではないか。
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