これで解決するのか・・・国会での議論

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 参院文教科学委員会が3月24日開かれ、来年度予算などを巡り質疑が交わされた。この中で、教育委員会と学校現場の労働基準監督を担う人事委員会との連携が進んでいないと議員から指摘されたのに対し、阿部俊子文科相は、今国会に提出した給特法改正案に、教員の業務量を適切に管理する計画の策定や取り組み状況の公表が盛り込まれていることに触れて、「こうした取り組みを通じて教育委員会と人事委員会の連携の促進も期待されるところであり、教員を取り巻く環境整備に全力で取り組みたい」と述べた。
 質問したのは、水岡俊一議員(立憲)である。労基署が今月、私立学校の校長らを労働基準法違反の疑いで書類送検した事例を挙げて、「労基法が適用される私立学校では労基署が監督機能を果たしているが、公立学校で監督機能を果たすべき人事委員会は、機能を果たしていないのではないか。各教委と人事委員会の連携についての調査では、『連携を図っている』との答えが7.5%しかなく、文科省から教委に指導してはどうか」と迫ったのである。

一方、共産党の吉良議員は、給特法を改正または廃止して、長時間労働のブレーキとなる残業代を支給すること、そして教員定数を増やすことを主張している。全く同じ考えだ。その上、吉良議員は、文科省の主張する残業時間3割減は、数値の取り扱いがおかしく、実際は2割減だし、2006年度と比較すれば逆に残業時間は増えていると主張した。

 立憲民主党は、日教組、共産とは全教を支持母体としている。立憲民主党の議員がこんな質問をして、大丈夫かと思ってしまう。確かに、私立学校は民間法人なので、管理監督を行うのは労働基準局であり、残業に対して残業代を支払わなくてはならない。これを怠った私立学校を書類送検するのは当然だろう。
 一方、阿部文科大臣が答弁したように、教育委員会と人事委員会が連携して、教員の業務量を適切に管理するというのはどうだろう。給特法の改正で教職調整手当が、4%が5%になっても、残業代は出ない。学校現場が劇的に改善するほど人的資源が配置されるわけではない。このような下で、「教員の業務量を適切に管理すること」などできるのだろうか。管理するとすれば、どういうことが起こるか。残業時間だけを管理して、とにかく仕事を終えさせようとするだろう。そうすると、教員は仕事を自宅に持ち帰るしかない。それとも、「管理すること」で、教員の仕事量を減らすのだろうか。十分な人的資源を講じることなく、仕事量を減らせば、教育の質の低下を招くだけだ。これで解決すると思っているのだろうか。 

 やはり文科省、そして質問した立憲民主党の議員も教員は無駄な働きをしていると思っている。管理したら解決すると思っているのだろう。学校現場はそんな生易しいものではない。いい加減、もっと現場を知ってほしいと思う。


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