これでは、「日本」は選ばれない!


 11月10日の読売新聞の30面を読んでびっくりした。外国人労働者の労災による死者と4日以上休業する負傷者が、昨年は5672人で14年の3.3倍になっているという。製造業と建設業の1000人当たりの外国人労働者の労災発生率は、それぞれ4.1人と4.31人。日本人を含めた労働者全体の2・36人を大きく上回っているというのだ。埼玉県のノリ製造工場で働いていたベトナム人女性は、誤って機械内に差し入れた右手が回転刃に巻き込まれ、手首から先を切断するしかない事故に遭ったという。会社から業務上の危険や注意点について十分な説明を受けることは無く、見よう見まねで作業を覚えたなかでの事故だ。女性は労災認定されたが、給料の8割しか補償されず、生活は苦しい。母国の家族にも仕送りができないという。こんな状態では、外国人が働く国として、日本が選ばれなくなる。

 日本は今、少子高齢化に突入しあらゆる職種で働き手不足である。外国人労働者がいなければ、仕事が成り立たない業種も多々あるだろう。外国人労働者を単に「安価な労働力」としか見てないから、こんなことが起こるのだ。共に、職場で働く「人」として考えれば、きちんと安全確保をするはずだ。まして、日本語が不十分なら余計に丁寧に安全管理をしなければならない。そんな最低限の事をしないなら、その会社は外国人労働者を雇う資格はない。日本人の驕った差別意識が招いた結果だろう。まだ、日本はアジアの№1だと思っているのだろうか。とんでもない話である。共にアジアの一員であり、共にこの世界を構成する仲間なんだという考えを持たなければ、日本はアジアから見捨てられる。


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