2月26日の読売新聞の教育面で連載されている「これからの高校-第一部無償化の行方」が最終回を迎えたようだ。最終回は、高校授業料の無償化に関しての有識者の見識が掲載されていた。慶応大学赤林教授、帝京大学小入羽教授、そして日本私立中学高等学校連合会長の吉田氏だ。
私立高校代表の吉田氏は、とにかくもっと金を私立高校に投じろという主張で、はっきり言って、どこまで貪欲?と思った。税金を投じるならそれなりの教育を行う責任を感じてほしいものだ。昨年から頻発しているスポーツ強豪校の様々な不祥事について、まずは会長として謝罪すべきだろう。論考に値しない内容だ。
小入羽教授のコメントを読んでいると、この人は現実を知っているのかと思う。「今回の改革で『公立離れ』が指摘されるが、判断は慎重に行うべきだ」とか「公立の志願倍率低下は、多くは少子化が原因であることをきちんと捉える必要がある。無償化の影響を過大評価して、私立に対抗する施策に走ると方向性を誤る」などという認識は、半数の公立高校が定員割れを起こしている大阪の現状とは、認識にズレがある。ただ、「公立は学習機会のセーフティネットだ。地域密着の分校や多様な生徒の受け入れなど、ある意味で採算を度外視した運営が可能だ。やる気のある校長に権限と予算を与えるのも一案だ」というのはその通りだと思う。
一番しっくりくるコメントをしているのは、赤林教授だろう。教授は、授業料無償化のねらいは、進学の選択肢拡大による教育の機会均等と、公立と私立間の競争による教育の質の向上という二つがあるという。
前半の教育の機会均等については、所得制限の撤廃により格差の縮小がなされたのかについては、疑問を呈している。また、公私の切磋琢磨については、入試制度の問題などから公平な競争になっていないと指摘している。公立は5教科入試、私立は3教科入試が主流であるので、高校入試段階から理・社の学習を疎かにすることになることを指摘している。さらに、追加的な費用の徴収についても制度設計をしっかりすべきと指摘している。
さて、今回の有識者のコメントだが、最も欠けているのは、「公立高校関係者」がいないことだ。私立高校の代表者がコメントをしているのに、公立高校の意見を代弁する有識者がいない。高校授業料無償化が先行実施されている東京や大阪の教育長、または再編が進んでいる地方自治体の教育長などが登壇し、今回の高校授業料無償化の受け止めについて意見を述べるべきだろう。
ただ、大阪府は、日本維新の会の本家本元にあたるので、大阪府教育長に意見を求めるのは、無理だろうと思う。

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