本日5月30日の読売新聞の大阪版に、いじめに関する記事が2件掲載されていた。一つは、泉南市の中1の生徒が自死に至った事案、もう一つは、吹田市がいじめ訴訟で控訴したという記事だ。泉南市に関する報道は、教育委員会が適切な対応を取らなかったとして、遺族側が不信を示し、市長直轄の第三者委員会が設置され、その報告書が提出されたのだ。報告書は、後ほど公開されると思うのだが、今の段階では公開されていない。報告書を読んでみないとこの記事だけではわからない。事実の切り取り方というものがあるので、やはり第一次資料を当たるというのが望ましい。しかし、現時点で報道と市長のコメントに違和感を感じる。報道では、
第三者委員会は報告書をまとめ、翔さんが上級生や同級生から「少年院帰り」と言われるなどいじめがあったことを認めました。学校や教育委員会の対応については、「本人の立場に立った対応と姿勢を示す必要があった」とした上で、「教員への不信などが自死につながる背景となった」などとしています。
とされており、学校や教育委員会の姿勢に大いに問題があったという報告がされていることが読み取れる。この件に関する市長のコメントは、
「学校現場と環境が非常にさまざまな課題・問題が複合的に合わさって、自死につながってしまったんじゃないかと」
というものだ。奥歯にものが挟まったような言い方になっている。市長までが教育委員会や学校をかばう姿勢を見せて、「行政の仲間内」を守るようになってしまっては、遺族はどうしたら良いのかと思ってしまう。市長コメントもこのような切り取られ方をしているが、実際はもっと話されているかもしれない。誤解を招くようであれば、きちんと会見される方がよいだろう。
もう一つは、吹田市がいじめ事案について控訴したというものだ。記事によると、市教委は「ガイドライン違反は認めるが、裁量権を逸脱した違法行為だと評価されたことは納得できない」と控訴したというものだ。裁判というものは、白黒をはっきりさせるものであるとはいえ、こういう教育委員会の姿勢をみると、吹田市民はどういうように受け止めるのだろうと思ってしまう。これで吹田市が敗訴すると、益々傷を広げてしまうのではないかと懸念する。
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