「赤チャート」が簡単になった?

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 今、通信制高校に勤めていることは前に書いた。数学を教えているのである。何年ぶりだろう。数えてみると20年ぐらいブランクがある。管理職になってから10年以上経つのだが、教科「情報」の免許を取得して、数学から情報の教員になってしまったので、20年数学から離れてしまった。これからのことを考えると、どこでどのレベルの数学を教えることになるかわからないので、「錆びついた脳」を活性化させるために、数研の赤チャートを買って毎日たとえ1問でも問題を解くようにしている。大学受験の時と同じように、例題の問題をノートに写し、解く。解けたら解答と比較し、自分の解答を点検するということをしている。
 数Ⅰ+Aから始めているが、解けるのである、問題が。割とスラスラと解ける。最初は、「自分の頭もそれほど錆びついていないか・・・」と思っていたが、どうも違うと思いだした。赤チャートが簡単になっているのだ。数研の参考書というのは、数学の分野ではずいぶん昔から一定の評価があった。私が高校の頃は、赤チャートと青チャートしかなかった。赤チャートが理系用、青チャートが文系用だった。理系の生徒には、青チャートのことを「あほチャ」などと馬鹿にした言い方をしている奴がいた。逆に言うと、赤チャートはとてつもなく難しかった。一つの問題を解くのに、3日間考え抜いたことはざらである。解答を見ても、「なんでこうなる?」と解らないことも度々だった。解答とにらめっこし続けることもよくあった。そして、問題の最後には出題された大学名が記載されており、ほとんどの問題がどこかの大学で出題されてたものである。今、解いている赤チャートには、大学名が掲載されていない。数学の内容の典型的な問題、絶対理解しておかなければならない問題は、割と整理されて掲載されていると思うが、問題を見た瞬間に解法方針がわかるのである。もしかしたら、昔の赤チャートの役割を別の参考書が肩代わりしているのかもしれないと思って、数研のwebpageを見てみると、やはりそうだ。昔とは比べ物にならないくらい参考書の種類が増えている。「ここにも個別最適化教育か!」などと大げさに思ったが、要は、レベルや目的を細分化しないと売れないということだろう。昔の赤チャートのレベルは、「入試必携168 理系対策」としてまとめられていた。
 
 「赤チャートが簡単になったのか?」と偉そうなことを言っているが、今の自分には入試問題を解くほどの能力は回復していない。一番難しい教科書の章末問題レベルのこの赤チャートで十分である。「1日1題以上は解く!」を目標に、もう少し頭の錆を落としたいと思う。

<参考>
数研出版webpage


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