「虎に翼」明日から最終週

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 明日、9月23日から「虎に翼」が最終週を迎える。この朝ドラは、今までの朝ドラと少し違う。ずいぶんと社会派だ。日本初の女性弁護士というところから、女性の社会参加の問題、家庭裁判所設立に関わる戦後の青少年問題、夫婦別姓、性的マイノリティ、在日外国人問題、夫婦間の女性の地位問題、そして原爆補償問題と、今でも現代的な課題である事象が、次から次へと取り上げられている。毎回、「とら、がんばれ、よね、がんばれ、轟!がんばれ!」と応援しながら見ていた。
 最終週はどんな展開になるのだろう。新潟編での美佐江問題が、消化不良のままだと思っていたので、その娘が突然現れて急展開である。美佐江の手帳を母親から見せられ、どうも美佐江は自ら命を絶ったようだ。最終週の結末が楽しみである。裁判所でのよねさんの「はて?」もどんな展開で出てくるのか、これも目が離せない。とにかく、最終週が待ち遠しい。

 ところで、1970年当初に青少年の犯罪の増加、凶悪化が問題になり、青少年の厳罰化、成人年齢の引き下げが問題になっていた。佐田判事ら家庭裁判所に関わる人たちは、厳罰化では解決しないという立場だ。ところが、この時以降、青少年の問題は厳罰化の方向で推移している。ふとなぜか?と思ってしまう。今の私たちは、当たり前のように青少年犯罪の厳罰化を受け入れているのだ。多岐川が唱えた「愛の裁判所」という言葉もどこかに消えてしまったように思う。
 なぜだろう?教育は、3つの場面で行われなければならない。ひとつは、言わずと知れた学校教育である。あとの二つは、家庭教育であり、社会教育である。この1970年代以降、価値観の多様化が進み、1980年代には、臨教審から教育の多様化が打ち出されるようになる。思うに、このドラマの時代以降、ずっと家庭教育も社会教育も弱体化してきたのではないか。そのために、今まで想像もしなかった事件が頻繁に起こるようになったのではないかと思う。その最たる例が「酒鬼薔薇事件」だろう。

 「虎に翼」は、来週で終わるが、このドラマが私たちに問うところは、かなり深い。単なる朝ドラでは終わらないし、終わってはならないと思う。

追伸

山田よねのスピンオフをつくってほしいと思うのは、私だけ?


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