11月26日・27日・28日の読売新聞の教育欄「教育ルネサンス」に「学校を支える」というシリーズが掲載されている。学校とは、教員と事務の方で構成されていると考えられているが、「チーム学校」の考えから、様々な人材が学校に関わっている。26日は、管理職を支える支援員、27日は、教室の環境を作る作業療法士、28日は地域との連携を進める地域学校協働推進委員の紹介だった。
管理職を支える支援員は、必須だろう。とにかく学校の中で教頭・副校長という仕事は一番忙しい。学校で起こる全ての事象は、このポストに集約されてくるのだ。その上、教育委員会への報告書や来客対応、職員会議の準備などの業務が舞い込んでくる。あらゆる学校の業務を担当することになるのだ。だから、そのサポートとしての支援員は必須と言えるだろう。記事にも「支援員が配置されて帰宅時間が早まった」ということが書かれていた。
28日に掲載された「学校と地域をつなぐ人材」もコミュニティスクールには必須な人材である。学校教育に探究学習が導入され、オーセンティックな話題に対する取り組みが求められる中で、地域の中にその教材を求めようという動きが活発化している。「開かれた学校つくり」に関しては、このような地域と学校を結ぶ人材は必須となるだろう。
ところで、この連載はまだ続くのだろうか。続くなら扱ってほしい人材がある。スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー・スクールロイヤーである。スクールカウンセラーは、言わずと知れた不登校などの課題に必須の人材である。子どもにとっても保護者にとっても、また教員にとっても、スクールカウンセラーが学校に常駐してくれていたら、どれだけ助かるかと思う。しかし、実態は週1で来校というパターンが多い。スクールカウンセラーにとっても、1週間という時間が経っているために、その空白の間に何があったのかを理解する作業からスタートしなければならない。スクールカウンセラーの常駐という問題を取り上げてほしい。
スクールソーシャルワーカーは、学校と福祉をつなぐ役割として必須だ。子どもの貧困が取り上げられる中で、学校で過ごす子ども姿に貧困が見え隠れする。また、子どもの虐待という問題も後を絶たない。すぐさま、福祉関係と連携できるためには、各校1人、週1回で良いのでスクールソーシャルワーカーの配置が必要だ。
スクールロイヤーの要望は高まっている。いわゆる「モンスターペアレンツ」への対応は、教員にとっては、精神的にも肉体的にも追い込まれていく。教員の過重労働の一因にもなっているのだ。理不尽な要求を突きつける保護者に対して、法の観点から毅然と対応できるスクールロイヤーの配置は、どの学校でも求められている。上記の2つの人材と比べて、スクールロイヤーの配置はほとんど進んでいないのではないだろうか。教育委員会の弁護士顧問はいても、学校現場への配置はほとんど聞いたことがない。先進的な実践例があれが、是非紹介してほしい。
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