「主任教諭」制度の学術的研究を!


 私もブログに書いた文科省が検討している「主任教諭」制度について、教育関係者から色んな所で意見が出されている。この制度は、東京都の「主任教諭」制度をモデルにしている。東京都は、すでに2007年度に主任教諭の登用試験を実施し、2008年度から学校に主任教諭が配置された。すでに制度が実施されてから10数年が経過する。そこで、この東京都の「主任制度」について、学術的論文はないか調べてみた。ヒットしたのが、
「東京都の教員は主任教諭制度をどう受け止めたか―アンケート分析を中心にー」(東京大学大学院教育学研究科教育行政学論叢 第29号)
である。ところが、この論文は、2010年に発表されており、東京都に主任教諭制度が導入されてから間もない時期の論文である。論文の主旨は、素晴らしいと思うのだが、主任教諭制度が導入されて10年以上が経つ今、どのようの東京都の教員がこの制度を受け止めているのかを再度知りたいと思う。

 東京都教育庁のwebには、主任教諭について以下のように説明されている。
「校務分掌などにおける学校運営上の重要な役割、指導・監督層である主幹教諭の補佐、同僚や若手職員への助言・支援などの役割を職務内容とする教員です。」
この制度の検証としては、以下の点が必要だろう。まずもってその主な仕事が「同僚や若手職員への助言・支援」なのだから、
①助言・支援の現状はどうなのか。つまり、教諭が指導・助言を受けた回数や仕事の分野(教科指導や分掌、学校経営、クラス経営、保護者対応など)、その助言・指導を受けた効果などの検証
②同じく主任教諭が指導・助言を行った回数や仕事の分野や、その効果をどのように受け止めているか。
 この①と②に統計的な有意差が認められると、なかなか面白い。主任教諭のアンケート結果が教諭よりも肯定的な結果が出れば、「独りよがり」となる。さらに、
③主幹教諭・副校長・校長が、主任教諭の仕事ぶりをどのようにみているか。また、この主任教諭制度が十分に機能しているかどうか。
④主幹教諭・副校長・校長が、主任教諭にどのような指導・助言をしているか、また、主任教諭がその「上司」からの指導・助言をどのように受け止めているか。

論点は、とても興味深い。どなたか、調査研究しないだろうか?


“「主任教諭」制度の学術的研究を!” への1件のコメント

  1. 藤野明彦のアバター

    都立教員の藤野です。勉強させていただいております。で、この件ですが主任制度の前に主幹制度強硬導入段階からの弊害が尾を引いてように思えております。僕も何か研究に協力できればと思っていますが、、、

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